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マイナンバー制度と情報連携(団体内統合宛名)

団体内統合宛名

団体内統合宛名機能とは、住基システムとその他の標準準拠システムと連携し、住民・住登外者を一意に特定する団体内統合宛名番号を付番するとともに、団体内統合宛名番号に係る副本情報などを標準準拠システムから受信し、中間サーバに送信する機能です。 副本登録や情報照会などの処理をまとめて「情報連携」といいます。

標準準拠システムとの外部IFには主に以下の機能があります。

  • 情報照会機能(SKI)
  • 情報提供機能(TKY)
  • 情報提供等記録管理機能(TKM)
  • 情報提供データベース管理機能(DBM) ※副本登録のこと
  • セキュリティ管理機能(SCM)
  • システム管理機能(SYM)
  • 自己情報提供機能(JTK)
  • お知らせ機能(OSR)

住基システム等との外部IFには主に以下の機能があります。

  • 符号管理機能(FGU)

参考資料:地方公共団体情報システム共通機能標準仕様書【第 2.0 版】

団体内統合宛名番号(団番)

地方公共団体で保有している団体内統合宛名システムの中で、個人や法人を識別するために付番されている番号のことです。

  • マイナンバー:日本国内で個人や法人を識別するための番号
  • 団体内統合宛名番号:自治体内で個人や法人を識別するための番号
  • 宛名番号:特定の行政システム内で個人や法人を識別するための番号

符号

中間サーバにおける符号とは、情報提供ネットワークシステムでの情報連携で個人を特定するために使用されるIDのことです。 情報連携においてはマイナンバーの代わりに符号が使われています。 符号は、同じ個人でも機関毎に別の符号が割り当てられます。 そのため、情報連携の提供元と提供先の機関が結託して直接不正な情報連携をすることはできません。 必ず、情報提供ネットワークシステムを経由して情報連携を行います。

符号の取得

情報連携ではマイナンバーの代わりに符号をIDとして個人情報を他組織へ提供します。 出生や転入などの新しい住民を登録するときに団体内統合宛名番号を付番すると同時に、符号取得要求を送信します。

情報提供に必要な機関別符号は、住基ネット回線を通じて取得要求を行い、最終的に中間サーバに符号が格納されます。

  1. 市区町村は、住基システムまたは統合端末から住基ネットを経由してJ-LISに符号取得要求を送信する。
  2. J-LISは、マイナンバーを住民票コードに変換し、情報提供ネットワークシステムに連携する。
  3. 情報提供ネットワークシステムは、住民票コードに対応するIDコードを付番する。さらに、IDコードに機関コードを加えて秘密鍵で暗号化した「機関別符号」を作成する。
  4. 情報提供ネットワークシステムは、市区町村の中間サーバに送信する。
  5. 中間サーバは受信した符号を格納する。

住民情報登録時(付番・更新・削除)

団体内統合宛名システムは、基幹業務システムと自治体中間サーバの連携を行うためのシステムです。

  1. 届出書等提出
    • 出生届受理時 → 団体内統合宛名番号を付番する(基本4情報と個人番号を団体内統合宛名機能に送信する)
    • 転出届受理時 → 団体内統合宛名番号を削除する
  2. 基幹業務システムは、住民情報を登録した後、団体内統合宛名番号付番依頼を送信する。送信する情報には4情報と個人番号が含まれる。
  3. 団体内統合宛名機能は、対象の宛名情報に紐づく団体内統合宛名番号が存在しない場合、団体内統合宛名番号を付番する。付番した団体内統合宛名番号は中間サーバに通知する。
  4. 中間サーバは、受信した団体内統合宛名番号を保存する。

住民情報更新時(副本登録)

  1. 住民の情報が更新される(例:所得情報更新など)
  2. 業務システムは、住民情報を更新する。この処理は正本登録とも呼ばれる。
  3. 業務システムは、団体内統合宛名システムに副本登録の依頼を行う。そのとき副本情報等(個人情報)を送信する。
  4. 団体内統合宛名システムは、中間サーバに副本情報等を連携する。

情報照会

  1. 地方公共団体は、事務に必要な情報照会を行う。
  2. 基幹業務システムは、団体内統合宛名機能を中継して情報照会依頼を送信する。
  3. 地方公共団体は、一定時間をおいて情報照会結果取得要求を行う。
  4. 基幹業務システムは、団体内統合宛名機能を中継して情報照会結果取得要求を送信する。
  5. 情報照会の結果を取得する。

なお、情報照会と提供情報は「処理通番」と呼ばれるIDによって紐付けられています。


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