高専専攻科の数学の授業で教科書として使用した「線形代数学 (新装版)」(日本評論社) のベクトル空間に関する定義と定理の一覧をまとめたものです。
\[\gdef\a{\vec{a}} \gdef\b{\vec{b}} \gdef\x{\vec{x}} \gdef\y{\vec{y}} \gdef\u{\vec{u}} \gdef\v{\vec{v}} \gdef\w{\vec{w}} \gdef\zero{\vec{0}} \gdef{\Ker}{\mathop{\mathrm{Ker}}\nolimits} \gdef{\Im}{\mathop{\mathrm{Im}}\nolimits}\]6.1. 抽象的ベクトル空間
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定義 6.1.1. 集合 $V$ に和とスカラー倍という2つの演算が定義されている。
- ベクトルの和 : $V$ の任意の2元 $\a,\b$ に対して和 $\a+\b\in V$ が定義される。
- ベクトルのスカラー倍 : $V$ の任意の元 $\a$ とスカラー(実数) $\lambda$ に対して $\lambda \a \in V$ が定義される。
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ベクトル空間の公理
- $\a + \b = \b + \a$ (加法の交換法則)
- $(\a + \b) + \vec{c} = \a + (\b + \vec{c})$ (加法の結合法則)
- $\a + \vec{0} = \a$ を満たす $V$ の元 $0$ が存在する (加法の単位元)
- $\a + \a^\prime = \vec{0}$ を満たす $\a^\prime \in V$ が存在する (加法の逆元)
- $(\lambda\mu)\a = \lambda(\mu\a)$ (乗法の結合法則)
- $(\lambda + \mu)\a = \lambda\a + \mu\a$ (分配法則)
- $\lambda(\a + \b) = \lambda\a + \lambda\b$ (分配法則)
- $1\a = \a$ (乗法の単位元)
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定理 6.1.1.
- ベクトル空間において、加法の単位元はただ一つ存在する。
- ベクトル空間において、加法の逆元 $\a^\prime$ は与えられたベクトル $\a$ に対してただ一つ存在する。
- 定理 6.1.2. ベクトル $a$ およびスカラー $\lambda$ に対して、$\lambda\a = \vec{0}$ であれば、$\lambda = 0$ または $\a = \vec{0}$ である。
- ベクトル空間の例
- $n$ 項数ベクトル空間 $\mathbb{R}^n$, 複素数上の $n$ 項数ベクトル空間 $\mathbb{C}^n$
- $m \times n$ 行列全体
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実数を係数とする変数 $x$ の多項式全体
\[\mathbb{R}[x] = \{a_0 + a_1x + \cdots{} + a_nx^n \;\vert\; a_i \in \mathbb{R}, n = 0,1,2,... \}\] -
$n$ 次以下の多項式全体 $\mathbb{R}[x]_n$
\[a_nx^n + a_{n-1}x^{n-1} + \cdots{} + a_0\] - 閉区間 $(a, b)$ 上で定義された実数値連続関数全体 $C(a,b)$
- $n$ 個の文字 $x_1, …, x_n$ の1次式 $f(x_1, …, x_n) = a_1x_1 + \cdots{} + a_nx_n$ 全体からなる集合
6.2. 1次結合と部分空間
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定理 6.2.1. ベクトル空間 $V$ の部分集合 $W$ が部分空間であるための必要十分条件は、次の3つの条件が成り立つことである。
- $W \ne \emptyset$ ($\emptyset$ は空集合)
- $\a,\b \in W \Rightarrow \a + \b \in W$
- $\a \in W, \lambda \in \mathbb{R} \Rightarrow \lambda\a \in W$
- 定理 6.2.2. $V$ を $\mathbb{R}$ 上のベクトル空間、$\a_1,…,\a_r$ を $V$ のベクトルとする。$\a_1,…,\a_r$ の1次結合全体の集合 \(W = \{x_1\a_1 + \cdots{} + x_r\a_r \;\vert\; x_i \in \mathbb{R}, i = 1,...,r\}\) は $V$ の部分空間になる。
- 定理 6.2.3. $A$ を $m \times n$ とするとき、\(W = \{x \in \mathbb{R}^n \;\vert\; Ax = 0\}\) は $\mathbb{R}^n$ の部分空間である。
6.3. 線形写像
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定義 6.3.1. $V, W$ を $\mathbb{R}$ 上のベクトル空間とする。以下を満たすとき、$V$ から $W$ への写像 $f : V \rightarrow W$ は線形写像であるという。
- $f(\x + \y) = f(\x) + f(\y) \;\;\;\;\; (\x,\y \in V)$
- $f(\lambda\x) = \lambda f(\x) \;\;\;\;\; (\lambda \in \mathbb{R}, \x \in V)$
- 定理 6.3.1. $V, W, X$ を $\mathbb{R}$ 上のベクトル空間とし、$f : V \rightarrow W, \; g : W \rightarrow X$ を線形写像とするとき、合成写像 $g \circ f : V \rightarrow X$ は線形写像になる。
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定義 6.3.2. $V, W$ を2つのベクトル空間、$f : V \rightarrow W$ を線形写像とするとき、
- $f$ の像空間は \(\Im f = \{f(\x) \;\vert\; \x \in V\}\)
- $f$ の核空間は \(\Ker f = \{\x \in V \;\vert\; f(\x) = 0\}\)
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定理 6.3.2. $f$ をベクトル空間 $V$ から $W$ への線形写像とする。
- $f$ の像空間、$\Im f$ は $W$ の部分空間である。
- $f$ の核空間、$\Ker f$ は $V$ の部分空間である。
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定理 6.3.3. $V, W$ をベクトル空間、$f : V \rightarrow W$ をそれらの間の線形写像とする。$V$ の $m$ 個のベクトル $u_1,…,u_m$, $V$ の $n$ 個のベクトルの組 $v_1,…,v_n$ と $m \times n$ 行列 $A = (a_{ij})$ が、次の関係を満たしているとする。
\[(v_1,...,v_n) = (u_1,...,u_m)A \;\;\;\text{すなわち}\;\;\; v_j = \sum_{i=1}^m a_{ij}u_i \;\;\;(j = 1,...,n)\]そのとき、以下が成り立つ。
\[(f(v_1),...,f(v_n)) = (f(u_i),...,f(u_m))A\]
6.4. 1次独立と1次従属
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定理 6.4.1. ベクトルの組 $\a_1,…,\a_n$ について次の 1. と 2. は同値である。
- $\a_1,…,\a_n$ は1次独立である。
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$\a_1,…,\a_n$ の1次独立で表される元の表し方は一意的である。すなわち
\[c_1\a_1 + \cdots{} + c_n\a_n = c_1^\prime\a_1^\prime + \cdots{} + c_n^\prime\a_n^\prime\]
ならば、$c_1 = c_1^\prime,…,c_n = c_n^\prime$ である。
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定理 6.4.2. 平面 $\mathbb{R}^2$ の2点 $A, B$ の座標をそれぞれ $(a_1, a_2),\;(b_1, b_2)$ とし、原点 $O$ とする。そのとき、次の 1., 2., 3. は同値である。
- 2項数ベクトルの組 $(a_1, a_2),\;(b_1, b_2)$ は1次独立である。
- ベクトルの組 $\vec{OA},\;\vec{OB}$ は1次独立である。
- 3点 $O,A,B$ は同一直線上にない。
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定理 6.4.3. 3次元空間$\mathbb{R}^3$ の3点 $A, B, C$ の座標をそれぞれ $(a_1, a_2, a_3),\;(b_1, b_2, b_3),\;(c_1, c_2, c_3)$ とし、原点 $O$ とする。そのとき、次の 1., 2., 3. は同値である。
- 3項数ベクトルの組 $(a_1, a_2, a_3),\;(b_1, b_2, b_3),\;(c_1, c_2, c_3)$ は1次独立である。
- ベクトルの組 $\vec{OA},\;\vec{OB},\;\vec{OC}$ は1次独立である。
- 4点 $O,A,B,C$ は同一平面上にない。
- 定理 6.4.4. ベクトルの組 $\a_1,…,\a_r$ のうち、1つのベクトルが残りのベクトルの1次結合として表示できることと、ベクトルの組 $\a_1,…,\a_r$ が1次従属であることは同値である。
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定理 6.4.5. ベクトルの組 $\a_1,…,\a_s$ に対して、
- $\a_1,…,\a_r\;\;(r<s)$ が1次従属であれば、$\a_1,…,\a_r$ も1次従属である。
- $\a_1,…,\a_s$ が1次独立であれば、$\a_1,…,\a_r\;\;(r < s)$ も1次独立である。
- 定理 6.5.6. $\a_1,…,\a_r$ が1次独立で、$\a_1,…,\a_r, \a$ が1次従属であれば、$\a$ は $\a_1,…,\a_r$ の1次結合として一意的に表される。
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定理 6.4.7. $\u_1,…,\u_m$ が1次独立なベクトルで、$A$ が $m \times n$ 行列のとき、
\[(\u_1,...,\u_m)A = (\zero,...,\zero)\]ならば、$A = O$ (零行列) である。
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定理 6.4.8. $\u_1,…,\u_m$ を1次独立なベクトルとする。2つの $m \times n$ 行列 $A, B$ に対して
\[(\u_1,...,\u_m)A = (\u_1,...,\u_m)B\]ならば、$A = B$ である。
6.5. 連立斉1次方程式
(斉次連立一次方程式)
- 定理 6.5.1. 連立斉1次方程式 $A\x = \zero$ が自明な解以外の解をもつための必要十分条件は $\lvert A \rvert = 0$ である。
6.6. 行列式と1次独立性の関係
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定理 6.6.1. $A$ を $n$ 次正方行列、$\a_1,…,\a_n$ を $A$ の行ベクトル、$\a_1^\prime,…,\a_n^\prime$ を $A$ の列ベクトルとするとき、次の条件は同値である。
- $\lvert A \rvert \ne 0$
- $\a_1^\prime,…,\a_n^\prime$ は1次独立である。
- $\a_1,…,\a_n$ は1次独立である。
- 定理 6.6.2. $n+1$ 個の $n$ 項数ベクトルは1次従属である。
- 定理 6.6.3. $r > n$ とするとき、$r$ 個の $n$ 項数ベクトルは1次従属である。
- 定理 6.6.4. $r < s$ とするとき、ベクトル空間の $s$ 個のベクトル $\b_1,…,\b_s$ がすべて $r$ 個のベクトル $\a_1,…,\a_r$ の1次結合で書かれれば、$\b_1,…,\b_s$ は1次従属である。
6.7. ベクトル空間の基底
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定義 6.7.1. ベクトル空間 $V$ のベクトルの組 $\a_1,…,\a_n$ が次の2つの条件を満たすときに $V$ の基底、または基という。
- $\a_1,…,\a_n$ は1次独立である。
- $\a_1,…,\a_n$ は $V$ を生成する。
6.8. ベクトル空間の次元
- 定理 6.8.1. $\a_1,…,\a_r$ と $\b_1,…,\b_s$ がともに1次独立なベクトルの組で、それぞれが生成する部分空間が一致するならば、$r=s$ である。
- 定義 6.8.1. ベクトル空間 $V$ に対して、定理 6.8.2. によって定まる基底のベクトルの個数をベクトル空間 $V$ の次元といい、$\dim V$ で表す。
- 定理 6.8.2. ベクトル空間 $V$ の基底に含まれるベクトルの個数は基底の取り方によらず一定である。
- 定理 6.8.3. ベクトル空間 $V$ が $\a_1,…,\a_r$ によって生成されるとき、$V$ の次元は $\a_1,…,\a_r$ のうちで1次独立なベクトルの最大個数に等しい。
- 定理 6.8.4. ベクトル空間 $V$ のベクトル $\a_1,…,\a_n$ が生成するベクトル空間 $S[\a_1,…,\a_n]$ の次元は、$\a_1,…,\a_n$ の中から選び得る1次独立なベクトルの最大個数に等しい。
- 定理 6.8.5. ベクトル空間 $V$ の次元と $V$ に含まれる1次独立なベクトルの最大個数とは一致する。
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定理 6.8.6. ベクトル空間 $V$ とその部分空間 $U$ について、$\dim U \le \dim V$ である。そして
\[U = V \iff \dim U = \dim V\]が成り立つ。
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定理 6.8.7. ベクトル空間 $V$ に関して、次の条件は同値である。
- $\dim V = n$
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$V$ のベクトル $\a_1,…,\a_n$ があって、$V$ の任意のベクトル $\a$ は
\[\a = c_1 \a_1 + \cdots{} + c_n\a_n\]
と、一意的に表される。
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定理 6.8.8. $V$ を $n$ 次元のベクトル空間とする。$V$ の $n$ 個のベクトル $\a_1,…,\a_n$ について、次の3条件は同値である。
- $\a_1,…,\a_n$ は $V$ の基底である。
- $\a_1,…,\a_n$ は1次独立である。
- $\a_1,…,\a_n$ は $V$ を生成する。
6.9. 基底の間の関係
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定理 6.9.1. ベクトル空間 $V$ の1組の基底を $\a_1,…,\a_n$ とする。$V$ の $n$ 個のベクトル $\b_1,…,\b_n$ が $V$ の基底であるための必要十分条件は、
\[\b_j = \sum_{i=1}^n c_{ij} \a_i \;\;\;(j = 1,...,n)\]と書いたとき、行列 $C = (c_{ij})$ が正則となることである。
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定理 6.9.2. $P$ が正則行列のとき、次の関係が成り立つ。
\[\begin{pmatrix} x_1 \\ \vdots{} \\ x_n \end{pmatrix} = P \begin{pmatrix} y_1 \\ \vdots{} \\ y_n \end{pmatrix}\] -
定理 6.9.3. $V$ を $n$ 次元ベクトル空間とする。$V$ のベクトルの組 $\a_1,…,\a_r$ が1次独立で $r < n$ ならば、$n - r$ 個のベクトル $\a_{r+1},…,\a_n$ を選んで、
\[\a_1,...,\a_r,\a_{r+1},...,\a_n\]が $V$ の基底となるようにできる。
6.10. 線形写像の行列表現
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定理 6.10.1. $V, W$ をベクトル空間、$\v_1,…,\v_n,\,\w_1,…,\w_m$ をそれぞれ $V, W$ の基底とし、固定する。ここで
\[n = \dim V,\;\;\;m = \dim W\]である。そのとき、線形写像 $f : V \rightarrow W$ に対して、
\[f(\v_j) = \sum_{i=1}^m a_{ij} \w_i \;\;\;\; (j = 1,...,n)\]によって $m \times n$ 行列 $A = (a_{ij})$ が定まる。この関係は一括して
\[(f(\v_1),...,f(\v_n)) = (\w_1,...,\w_m)A\]と表される。そして、$V$ の任意のベクトル $\displaystyle \x = \sum_{j=1}^n x_j \v_j$ に対して、$\y = f(\x)$ は
\[\y = f(\x) = (\w_1,...,\w_m) A \begin{pmatrix} x_1 \\ \vdots \\ x_n \end{pmatrix}\]と表される。したがって、$\x,\y$ の成分ベクトルの間には
\[\begin{pmatrix} y_1 \\ \vdots{} \\ y_n \end{pmatrix} = A \begin{pmatrix} x_1 \\ \vdots{} \\ x_n \end{pmatrix}\]という関係が成り立つ。
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定理 6.10.2. $f : V \rightarrow W$ を線形写像とする。$V$ の基底 $\v_1,…,\v_n$ と $W$ の基底 $\w_1,…,\w_m$ に関する $f$ の表現行列を $A$, $V$ の基底を $\v_1^\prime,…,\v_n^\prime$ と $W$ の基底 $\w_1^\prime,…,\w_m^\prime$ に関する $f$ の表現行列を $B$ とする。また、基底の変換の行列をそれぞれ $P, Q$ とする。すなわち
\[(\v_1^\prime,...,\v_n^\prime) = (\v_1,...,\v_n)P, \;\;\;\;\;(\w_1^\prime,...,\w_m^\prime) = (\w_1,...,\w_m)Q\]とおく。このとき、以下の式が成り立つ。
\[B = Q^{-1} A P\] -
定理 6.10.3. $V$ を $n$ 次元ベクトル空間、$f : V \rightarrow V$ を線形写像とする。$V$ の1組の基底 $\u_1,…,\u_n$ に関する $f$ の表現行列を $A$, $V$ の他の基底 $\v_1,…,\v_n$ に関する $f$ の表現行列を $B$ とする。そして、この2つの基底の変換の行列を $P$ とする。すなわち、
\[(\v_1,...,\v_n) = (\u_1,...,\u_n)P\]このとき、以下の式が成り立つ。
\[B = P^{-1} A P\] -
定理 6.10.4. $V, W, X$ をベクトル空間、$\v_1,…,\v_n, \w_1,…,\w_m, \x_1,…,\x_l$ をそれぞれ $V, W, X$ の基底とする。2つの線形写像
\[f:V \rightarrow W,\;\;\;\; g: W \rightarrow X\]が与えられたとき、上記基底に関して、$f, g$ に対応する行列をそれぞれ $A, B$ とすると、写像の合成
\[g \circ f: V \rightarrow X\]に対応する行列 $C$ は、以下の等式を満たす。
\[C = BA\] -
定理 6.10.5. $V$ をベクトル空間、$\v_1,…,\v_n$ を $V$ の基底とするとき、この基底に関して恒等写像 $\mathrm{id} : V \rightarrow V$ に対応する行列は $n$ 次の単位行列 $E$ である。
6.11. ベクトル空間の同型
ベクトル空間 $V$ からベクトル空間 $W$ への線形写像 $f$ が全単射であるとき、$f$ を $V$ から $W$ への同型写像という。 また、同型写像 $f : V \rightarrow W$ が存在するとき、$V$ は $W$ に同型であるといい、$V \cong W$ と書く。
- 定理 6.11.1. ベクトル空間の間の同型写像は、1次独立、1次従属、基底といった性質を保つ。
- 定理 6.11.2. ベクトル空間 $V, W$ において、$V$ と $W$ が同型であるための必要十分条件は $\dim V = \dim W$ となることである。
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定理 6.11.3. $V$ を $n$ 次元ベクトル空間とし、その1組の基底を $\v_1,…,\v_n$ とする。$V$ の任意のベクトル $\x$ を $\x = x_1 \v_1 + \cdots{} + x_n \v_n$ と書くとき、$x$ にその成分を対応させる写像
\[x \longmapsto \begin{pmatrix} x_1 \\ \vdots{} \\ x_n \end{pmatrix}\]は、$V$ から $n$ 項数ベクトル空間 $\mathbb{R}^n$ への同型写像 $f:V\rightarrow\mathbb{R}^n$ を定義する。
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定理 6.11.4. $V,W$ をベクトル空間 $\v_1,…,\v_n, \w_1,…,\w_m$ をそれぞれ $V, W$ の基底とする。ここで、$n = \dim V,\,m = \dim W$, 線形写像 $f : V \rightarrow W$ に対して、上記基底に関する $f$ の表現行列を $A$ とするとき、次は同値である。
- $f$ は同型写像
- $n = m$ かつ $A$ は正則行列
そして、同型写像$f$について、$f^{-1}$ の表現行列は $A^{-1}$ である。