晴耕雨読

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コンピュータ関連犯罪を裁く法律

ここでは、コンピュータ関連や電磁的記録に関する罪について書かれている部分を、刑法から抜粋したものです。それぞれの解説はありませんが、刑法には電磁的記録についてどんなことが書かれているかを見ることができます。

以下、刑法からの抜粋です。

第1章 通則

第7条の2(定義) 

この法律において「電磁的記録」とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。

第17章 文書偽造の罪

第161条の2(電磁的記録不正作出及び供用)

  1. 人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
  2. 前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
  3. 不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第1項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。
  4. 前項の罪の未遂は、罰する。

第18章の2 支払用カード電磁的記録に関する罪

第163条の2(支払用カード電磁的記録不正作出等)

  1. 人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する電磁的記録であって、クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードを構成するものを不正に作った者は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作った者も、同様とする。
  2. 不正に作られた前項の電磁的記録を、同項の目的で、人の財産上の事務処理の用に供した者も、同項と同様とする。
  3. 不正に作られた第1項の電磁的記録をその構成部分とするカードを、同項の目的で、譲り渡し、貸し渡し、又は輸入した者も、同項と同様とする。

第163条の3(不正電磁的記録カード所持)

前条第1項の目的で、同条第3項のカードを所持した者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第163条の4(支払用カード電磁的記録不正作出準備)

  1. 第163条の2第1項の犯罪行為の用に供する目的で、同項の電磁的記録の情報を取得した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。
  2. 不正に取得された第163条の2第1項の電磁的記録の情報を、前項の目的で保管した者も、同項と同様とする。
  3. 第1項の目的で、器械又は原料を準備した者も、同項と同様とする。

第19章の2 不正指令電磁的記録に関する罪

第168条の2(不正指令電磁的記録作成等)

  1. 正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
  2. 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
  3. 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
  4. 正当な理由がないのに、前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。
  5. 前項の罪の未遂は、罰する。

第168条の3(不正指令電磁的記録取得等)

正当な理由がないのに、前条第一項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第22章 わいせつ、強制性交等及び重婚の罪

第175条(わいせつ物頒布等)

  1. わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
  2. 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

第32章 脅迫の罪

第222条(脅迫)

  1. 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
  2. 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

第34章 名誉に対する罪

第230条(名誉毀損)

  1. 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
  2. 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

第231条(侮辱)

事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

第35章 信用及び業務に対する罪

第233条(信用毀損及び業務妨害)

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第234条(威力業務妨害)

威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

第234条の2(電子計算機損壊等業務妨害)

人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、5年以下の懲役又は 100万円以下の罰金に処する。

第36章 窃盗及び強盗の罪

第245条(電気)

この章の罪については、電気は、財物とみなす。

第37章 詐欺及び恐喝の罪

第246条(詐欺)

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

第246条の2(電子計算機使用詐欺)

前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。

第40章 毀棄及び隠匿の罪

第258条(公用文書等毀棄)

公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

第259条(私用文書等毀棄)

権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、5年以下の懲役に処する。


参考文献