晴耕雨読

working in the fields on fine days and reading books on rainy days

2022年度振り返り

2022年度に対する個人的な駄文です。一言でまとめると、今年度はデジタル庁の年でした。

仕事面

2022年4月から公共分野の基盤チームに所属し、基盤保守の作業の傍らで、行政のデジタル化の名の下で「自治体の行政手続きのオンライン化に係る申請管理システム」(マイナポータル申請管理)の制度改正(デジタル手続法)があり、これに関連するシステム機能追加の設計を行っていました。 最近のデジタル庁による政策の動きは激しく、国民・住民にとって利便性の高いサービスを実現する中で、もちろん自治体側もDX(という名の業務効率化)をしないといけない波が来ている、というのを仕事をしながら感じています。 公共分野は民間ほどビジネス環境の激しい変化に対応する必要がないとされていましたが、日本のデジタル競争力を考えた時に、新しい技術を吸収できないままでは国としての経済的損失につながるよなーと思っていただけに、デジタル庁ができたことによる風向きは良い感じだと思います。 現在のシステムの安定性を維持しつつ、新しい技術を取り入れてDXによる業務効率化を行う感じなのですが、言葉で言うのは簡単で実際は多くの壁が存在します。 様々な課題がありつつも、何とか今日までに検証・開発・導入・運用を続けてこれているという状態です。 以下は、マイナポータル申請管理と転入転出OSSに関連する国から出ている参照資料です。

また、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化を行うための制度改正(地方公共団体情報システムの標準化に関する法律)による「標準準拠システム開発」があり、これに関連するFit&Gapや実装作業などを行っていました。 これまで各自自体は自分たちで行政システムを調達していたため、様々なベンダーが開発したシステムを使っており、内部でのデータの持ち方なども様々でした。そのような状況で他社システムに移行しようとなると一筋縄では行かず、さらに独自仕様(カスタマイズ)があるとそこでベンダーロックインのようなものが発生しがちです。 このような状況は、ベンダーにとっては良いかもしれませんが、国全体の生産性としては良いとは言えず、国全体で見ればある意味、経済的損失です。 これを解決するための政策が標準準拠システム化です(細かいことを言うと、法律や仕様には解釈の余地があるので、完全に統一・標準化はできないと思われますが…)。 地方公共団体の基幹業務システムの標準化によって、データ要件・連携要件、共通機能、ガバメントクラウドの活用などが整備されます。 データ要件が標準化されれば、他社システムへの移行がより簡単になります。また、連携要件が標準化されることで、システム間の連携がすぐに開始できるようになります。 共通機能の標準については、実装すべき機能と実装してはいけない機能が定義され、業務フローが全標準準拠システムで統一されます。 標準仕様書には、業務フローの図があり、誰が何の作業をして何をどこに送るのか、と言う情報がまとまっているので、業務知識が少ない自分にとっては勉強になりました。 資料はたくさんあるのですが、デジタル庁、総務省、厚生労働省、文科省、内閣府がそれぞれ公開しているので、初見では分かりにくいかもしれません。 そこでおすすめなのはデジタル庁のサイトです。一番よくまとまっているので、参考資料としてはデジタル庁が最強です。

他にも、共通納税のeL-QRとか、AWSの検証とかを色々やっていました。瞬間的には大変な時期も多かったですが、色々勉強にもなりました。 詳細は省略します。以下は参考になるかもしれない資料です。


プライベート面

2022年8月にセキュリティキャンプの開発コースの暗号解読チャレンジゼミに副講師として参加しました。 講師業務は仕事ではないの?と聞かれることもありますが、完全にプライベートです。休日や有給を使って作業している感じです。 社内でもこのことについて、知っている人と知らない人がいます。直属の管理者には暗示だけしていて詳細は話していないです。 2022はあまり貢献できなかったので、2023は面白いゼミになるように貢献できればと思っています。

また、2022年11月には Hardening 2022 DECADE に参加しました。 仕事の進捗を落としたくなかったので、オンラインで参加することにしました。 結果としては、ほとんどの人が現地参加で、自分も現地参加できたら面白かったんだろうなーという後悔もあります。 参加した感想としては、ルーティングの知識と経験を得られたので、セキュリティの競技会ですが、ネットワークの勉強になりました。 敢闘賞で得られたSecuriST認定セキュアWebアプリケーション設計士トレーニングへの参加権は、大変ありがたく使わせていただきました。 来年度(2023)は仕事の状況にもよりますが、いったんお休みしようかなと思っています。

その他にも、新規iMacの調達とか、Mini PC(Intel NUC)によるお家クラウドの構築とかを、休日にやっていました。 社会人になってから買ったPCとサーバとディスプレイの金額を合計したら約100万円になりそうな状況です(仕事道具には金をかけてもいいという言い訳)。

たくさん本も買ったけど、熟読できるほど時間を投下できませんでした。 他記事を見て、今年読んで面白かった本・おすすめしたい本、みたいな内容を書くのは良いアイデアだなと思いました。来年度の振り返りの時にやってみたいです。


最後に

他の人のように12月末に振り返りを書けば良いのでは?と思われるかもしれませんが、日本では会計年度に合わせて様々なイベントが発生するので、忙しい時期ですが3月4月あたりで年度振り返りを書き出すようにしています。

仕事とプライベートのどちらの面においても、私の話を聞いてくれた人、お話してくれた人、相談に乗ってくれた人に感謝しています。 引き続き、心と身体に気を付けながら精進していきたいと思います。

以上です。