晴耕雨読

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文書のコサイン類似度を求める

Python で scikit-learn を使った TF-IDF に基づく文書の類似度の求め方について説明します。

定義

コサイン類似度とは、ベクトル同士の距離の計算に使います。 コサイン類似度が1に近いほど、ベクトル同士の成す角度が小さいため、類似していることを表します。 まず、ベクトルの内積は次の式で書けます。

なので式変形すると、コサイン類似度は次の式で求められます 1

2つの文書のコサイン類似度を求めるには次の手順で計算をします。

  1. 全ての文書の単語について TF-IDF を求める。
  2. 各文書の TF-IDF の値の配列(つまり、各文書のベクトル)を作る。
  3. 2つの文書ベクトルのコサイン類似度を求めて、文書の類似度を求める。

TF-IDF の計算方法は他のページを参照してください。

プログラム

実際に、文書の類似度をプログラムで計算してみます。 たとえば、3つの文書(コーパス)が次のような内容だとします。

  • 文書1 :「ドキュメント集合においてドキュメントの単語に付けられる」
  • 文書2 :「情報検索において単語への重み付けに使える」
  • 文書3 :「ドキュメントで出現したすべての単語の総数」

これらを分かち書きしたデータを与え、TF-IDF を求めて、その結果から文書の類似度を求めることができます。

from sklearn.feature_extraction.text import TfidfVectorizer
from sklearn.metrics.pairwise import cosine_similarity

docs = [
    'ドキュメント 集合 において ドキュメント の 単語 に 付けられる',
    '情報検索 において 単語 へ の 重み付け に 使える',
    'ドキュメント で 出現した すべて の 単語 の 総数',
]
vectorizer = TfidfVectorizer(max_df=0.9) # tf-idfの計算
#                            ^ 文書全体の90%以上で出現する単語は無視する
X = vectorizer.fit_transform(docs)
print('feature_names:', vectorizer.get_feature_names())
print('X:')
print(X.toarray())
sim = cosine_similarity(X) # 類似度行列の作成
for from_id in range(len(docs)):
    print('doc_id:', from_id)
    for to_id in range(len(docs)):
        print('\tsim[{0}][{1}] = {2:f}'.format(
              from_id, to_id, sim[from_id][to_id]))

実行結果:

feature_names: ['すべて', 'において', 'ドキュメント', '付けられる', '使える', '出現した', '情報検索', '総数', '重み付け', '集合']
X: (3つの文書ベクトル)
[[0.    0.34  0.68  0.45  0.    0.    0.    0.    0.    0.45]
 [0.    0.40  0.    0.    0.52  0.    0.52  0.    0.52  0.  ]
 [0.52  0.    0.40  0.    0.    0.52  0.    0.52  0.    0.  ]]
doc_id: 0
	sim[0][0] = 1.000000
	sim[0][1] = 0.138242  (文書1と文書2の類似度)
	sim[0][2] = 0.276484  (文書1と文書3の類似度)
doc_id: 1
	sim[1][0] = 0.138242  (文書2と文書1の類似度)
	sim[1][1] = 1.000000
	sim[1][2] = 0.000000  (文書2と文書3の類似度)
doc_id: 2
	sim[2][0] = 0.276484  (文書3と文書1の類似度)
	sim[2][1] = 0.000000  (文書3と文書2の類似度)
	sim[2][2] = 1.000000

結果から言えること:

  • 文書1と文書2について、2番目の単語「において」が共通して現れるので、類似度は 0.13 となりました。
  • 文書1と文書3について、3番目の単語「ドキュメント」が共通して多く現れるので、類似度は 0.27 となりました。
  • 文書2と文書3について、共通して現れる単語が存在しないので、類似度は 0 となりました。

以上です。


  1. 説明する人によっては、ベクトルの距離を ではなく、L2ノルムで正規化する と書く場合もあります。どちらも同じ計算値になります。