晴耕雨読

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seccamp2020チュータ参加記

セキュリティ・キャンプ全国大会2020オンラインにチュータとして参加し、仕事と両立しながらの参加だったので、その参加記を書いていこうと思います。 担当は集中コースのL1「暗号解読チャレンジゼミ」でした。

seccamp全国大会2020オンラインは、8月オフライン開催延期から、10~12月のオンライン開催に変更した経緯があります。 今までの開催方法とは異なることをご承知おきください。

チューター応募

9/28が応募締め切りでした。去年書いたチューター応募用紙を参考にしつつ、今まで何をやってきたのか、だからこういう面でサポートできます、ということを書いていきました。 専用フォームに書いて提出したら、提出後もフォーム上で修正可能だったので、提出するときのドキドキ感を返して…と思ってました。

チューター選考結果通知

10/5にキャンプ事務局からメールが来ました。Lトラックのチューターとして参加することが決定しました。 メールには注意書きで担当の変更、ゼミの配置等に調整が入る場合があります、とあったことと、 L1の暗号解読ゼミで希望を出したのに、L1担当ということをはっきり言われるまでに時間があったこともあり、本当にL1なのか疑心暗鬼になっていました。

チューター事前説明会

seccamp開講式一週間前くらいにチューター説明会がありました。チューターの役割とか(技術的なのも含めて)ハラスメントは絶対ダメとかに加えて、稼働時間についても説明がありました。 通常のセキュリティキャンプと比べて開催期間が長いから稼働時間超えないように注意してくださいとはいわれてました。が、そこまで細かく気にしてチューターしてないです。工数を気にするのは会社の仕事だけで十分です。

開講式・LT大会

10/18は開講式があり、18:00~はLT大会がありました。LT大会はチューターは発表必須なので、万人向けではないけど暗号の話をしたかったので、プロトコルの形式的安全性検証ツール ProVerif の話をしました。発表資料はPDFで公開しています。 LaTeX信者なので、今回もLaTeXで出力したPDFでプレゼンする形式にしました。 ProVerifについては5分という短い時間でする発表ではなかったかな、という反省はあります。 5分で技術的な話をするのはすごく難しいです。

グループワーク

今のスタイルのグループワークは本当にやる必要あるんですかね?という気持ちです。 私が参加した2018のときは、いろんな人にインタビューして自分の考えをまとめて提出するみたいなやつで、グループワークという名の下にいろんなチューターや講師の方やスポンサーの方とお話できて有意義な時間だったので、2018のときのスタイルを続ければいいんじゃないかなと思っています (初めて触れたものを一番だと思う心理があるかもしれませんが)。 いろんな人とお話していろんな考え方に触れて自分の考えを出せれば経験としては十分だと思っていますし、運営にはそういう時間を用意してほしいと期待しています。 懇親会という場所もありますが、あれは仲のいい人たちで固まってしまって話に入りにくいので、やっぱり2018のグループワークは最高だと思っています。

グループによってはいい感じにオリジナリティが出ていて、特に円周率計算のコンペティションをするグループは今後の活動を楽しみにしています。 そのほか、発表へのコメントの中に「ssmjp曰く『アウトプットしないのは知的便秘』」というのがあって、この言葉は便利だなと思いました。

オンラインハッカソン

集中コースの講義は「オンラインハッカソン」と呼ばれ、合計3回実施されます。 L1の暗号解読チャレンジゼミは暗号の解読方法を実装するのがメインですが、暗号自体の実装もあります。 受講生の皆さんのテーマやゼミの中で出てきた話などをまとめるとこんな感じです。

正直なところ全ての話についていくことができませんでした。 オンラインハッカソン中は、今まで買った本の中から暗号への攻撃手法が書いてある本を読んでいました。 期間中の勉強した内容は 有限体上の離散対数問題楕円曲線上の離散対数問題 です。 今まで暗号解読の方面は注力していなかったので、私がチューターとしてこの場にいる意味とは…という気持ちでしたが、これらも含めて勉強を続けていきたいと思っています。

その他

本当なら8月のお盆周辺でseccampは開催されるので、それに備えて計画年休はお盆周辺に集めて1週間有給休暇とれるように準備をしていた矢先に延期&オンライン開催となったので、しょうがないと思いながら夏休みを過ごしていました。 セキュリティキャンプに参加することは会社の周りの人には特に話していませんが、開催日が全て土日だったので特に支障はなかったです。休日出勤の可能性もわずかにありましたが、そのときは意地でも(評価が下がったとしても)休むつもりでした。

定時で帰りたいけど、会社の仕事の忙しい時期とセキュリティキャンプが重なっていて、毎日2時間とか3時間とか残業しているときに、帰宅後の勉強・調査は体力的・精神的にきついです。 夜遅くまで勉強すると次の日に反動がくるので、自分の精神状態や体の状態を確認しながら、という感じです。

そんなこんなで最終発表・修了要件などの情報展開が遅くなってしまったのはL1ゼミの受講生の皆さんには申し訳なかったと思っております。

最終発表・閉講式

最終日はグループワークの発表と集中コースの全体発表を聞きました。

閉講式では竹迫プロデューサーが「研究をライフワークにしてください」と言っていて、自分の目指しているスタイルはこれなんだなと思いました。この言葉を胸に刻んで一歩一歩進んでいきたいと思います(今までは「毎日自由研究」という言葉を使っていました)。

おわりに

いつもと違うセキュリティキャンプは新鮮な気持ちで参加できた半面、コミュニケーションが難しいなどの課題も出ました。 セキュリティキャンプ全国大会2020は終わりましたが、私のライフワークとしての研究はこれからも続きます。 2週間ごとのオンラインハッカソンが来るたびに自分のやる気がブーストされました。関係者の皆様ありがとうございました。

「セキュリティキャンプを修了することはフェデレーションではない」という言葉でこの参加記を締めたいと思います。

参考文献


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