晴耕雨読

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成功するために必要なこと(2. 行動編)

「失敗なくして成功なし」や「失敗は成功のもと」と言われるように、失敗をする勇気と失敗を受け止めて次に活かすことは、成功するために必要なことです。 ここでは、どのようにして失敗を乗り越えていくか、その行動についてお話しします。

行動指針

記録と共有、観察と改善などの、成功するためにすべき行動について

失敗を超高速で回す

完璧主義の人は、時間をかければ完璧な成果物ができると信じています。 しかし、どれだけ時間をかけて準備をしても、実際に使い始めると思いもしないバグや欠陥が見つかることがあります。

一方で、検証作業の中で失敗は当たり前と理解している人は、フィードバックを大切にしています。 あえて早い段階でバグや欠陥が存在する状態をベータ版として公開し、失敗を晒すことで、試行錯誤が繰り返され、システムを改良するためのヒントが得ることができます。 検証と軌道修正の繰り返しを超高速で回す仕組みを作り、試作品のフィードバックを元に軌道修正をすれば、より正しい方向に注力することができ、時間を効率よく使うことができます。 失敗しないように全てを用意するよりも、そもそもそれを用意する価値はあるのかを、早い段階で失敗してフィードバックで受け取る方が効率よくできます。

「リーンスタートアップ」とは、最低限の機能を実装した製品 (MVP) の状態でフィードバックを受けならがスタートアップ事業を進めるビジネスモデルです。 損失が小さいうちの失敗は、企業が進むべき方向を見定めるための経験値になります。

記録を残して共有する

人は自分の失敗を認めたくない生き物です。 しかし、失敗の記録を残さないと、次回また同じ誤りを繰り返してしまいます。 自分の失敗談は記録を残して次に活かすことで、次回の成功率を上げることにつながります。 記録をして振り返ることは、学習プロセスにおいて大切なことです。

一方で、自分の成功を謙遜して打ち消すことは、他人があなた自身の経験から勉強する機会を奪ってしまいます。 謙遜も必要ですが、自分の成功に至るまでの意思決定やプロセスや使った知識は共有すべきです。 属人化によって組織内で生き残ろうとする生存戦略は、自分自身の人生の幅を狭めてしまいます。 知識や知見や経験を共有することは、他人のためだけではなく数年後の自分のためにもなります。 仕事や趣味で新しいことを始めたいと思った時に、その記録が必ず役に立ちます。 新しいアイデアは既存アイデアの良い部分の組み合わせだからです。

そして、人に教えるのは怖いことです。自分の知っていることは本当に正しいのかを考えると尻込みしてしまいます。 しかし、あるテーマを深く学びたいと思うなら、人に教えられるようになる必要があります。 競争よりも共有です。 ただ知識を共有するだけが教えることではありません。 進むべき道をガイドし、耳を傾け、時には別の視点を見せること、その繰り返しによって生徒が自分の力で全体像を見渡せるようになることが教えることの本質です。 その過程で得られた学びのプロセスを分析し理解し、体系化された知識への歩き方を言語化することで、自分が理解しているつもりで理解できていない部分が明らかになり、自身の成長にもつながります。

「暗黙知を形式知にすること」や「教えることによって私たちは学ぶ」などは、記録を残して共有することによる成果といえます。 「アウトプットしないのは知的な便秘」です。

現場を観察して改善する

他人の失敗の結果だけを見てその人を非難するのは簡単ですが、非難するだけでは改善できません。 目的を達成するために継続的に改善する方法として、計画、実行、評価、改善を繰り返し行うPDCAサイクルがあります。 「測定できないものは改善できない」という言葉の通り、一般的にPDCAのC (Check) から始めることが、サイクルを回す際の成功のコツとされています。

  • 計画 (Plan) : 範囲を決めて、ベストプラクティスをもとに計画を立てる
  • 実行 (Do) : 計画に沿って活動する
  • 評価 (Check) : 計画や活動が正しく機能しているかを評価する
  • 改善 (Act) : 目的を達成するために、正しく機能していない計画や活動を修正する

また、OODAループ (ウーダループ) という意思決定と実行のための仕組みもあります。 PDCAは中長期的な目的であるのに対して、OODAは短期的な目標を達成するためのループです。 観察、状況判断、意思決定、実行を繰り返し行うことで、優先順位を考慮した意思決定をします。

  • 観察 (Observe) : 現場を観察して問題点を認識する
  • 状況判断 (Orient) : 優先順位を決める(取捨選択をする)
  • 意思決定 (Decide) : 具体的な対策を決める
  • 実行 (Act) : 実行に移す

改善のプロセスはPDCAサイクルとOODAループの2つから構成されていて、それぞれは補完関係にあり、中長期のPDCAサイクルの各ステップで短期のOODAループが発生します。 つまり、改善は現場を観察することから始まります。 優先順位を決めながら色々やってみることで、何を評価に使うべきかやどのように活動すべきかなど、解決への方向性が見えてきます。 ガイドラインやベストプラクティスが常に自分や組織に当てはまるとは限らないし、理論だけで物事は進みません。 理論と実践のバランスを保つことが大切です。 そして、自身や組織のガバメント(観察して目標に向かってないものを修正する作業)で重要なことは、ルールのテーラリング(ルールを組織に合わせること)です。 守りにくいルールは、ビジネス活動などのメインの活動を阻害するだけです。 定期的に見直して守りやすいルールに修正することは、メインの活動の利益を最大化したり、成長の速度を上げたりするために必要なことです。

「守破離」は、現場を観察して改善することの拡張といえます。 「守」はルールを回してみること、「破」はルールのテーラリング、「離」は他との融合 です。


以上が私が考える、成功するために必要な行動指針です。


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